この記事では、集団生活における臭いの問題について、次の内容を説明します。
- 軽視すべからず
- 寝食の距離が近い環境
- 人間関係を破綻させるおそれ
- 対策
- 臭いの原因は主に細菌と脂質酸化
- 洗濯・入浴の頻度・質の低下や劣悪な生活習慣により、悪臭化を防げなくなる。
- 基本的な考え方
- 洗浄(=有機物・細菌の双方を除去)は最も効果的な手段
- 洗浄しないで行う殺菌の効果は限定的
- 他の香りでのマスキングは避けるべき
- 皮膚へのアプローチ
- 後頭部、耳の周り、胸、脇の下、股、膝裏、足の指の股などを重点的に洗浄
- 強く擦ると逆効果
- 食生活の改善(脂質減)も有効
- 服へのアプローチ
- こまめな洗濯
- 漂白剤や粉末洗剤の活用
- 柔軟剤は控え目に
- 服の買い換えも有効
- 靴の問題
- 靴は洗浄出来ないものが多いため、殺菌が主な対策になる。
- 足の裏や指の股は細菌の温床になりやすく、複数の手段を複合させないと解決は困難
- 外出時間の活用
- 校内や艦内の生活で、洗濯や入浴に時間をかけるのは困難
- 外出・上陸時に時間をとるのも一考
- 臭いの原因は主に細菌と脂質酸化
- 悩みすぎない
- 自臭症にも注意
- 親しい人の助けを借りよう
この記事では、海上自衛隊の圧倒的マジョリテイたる男性に重点を置いた広告が流れます。女性自衛官の皆さまにおかれましては、対象とした広告は出ませんが、記事の内容自体は共通するものですので、ご了承下さい。

先パイ……その……相談があるんですが……。



どうしたの?



……その、私って。ひょっとして臭いですか?
ニオイ、軽視すべからず



いや、電話越しだから分からないよ。まぁ、前会った時はそんなに気にならなかったけどね。



ですよね!



なんかあった?



いや……その。最近、なんか分隊で避けられてる気がしてて。ひょっとしたら……と思ったんですけど、まぁ大丈夫ですよね!そのくらい。



うーん。実際どうなのか、分からないけど。ただ、もし何か自覚があるなら、手を打った方がいいんじゃない?



や、やっぱり、そうですか!?



うん。ボクらの職場って、かなり距離感が近いでしょ?たぶん、人生でこれほど他の人と一緒にいた経験は無いと思うんだよね。



ええ、食事も風呂も寝るところも、みんな一緒ですもんね。



で、これで艦艇に乗ることになった場合……というか、A幹の場合、護衛艦実習とか遠洋練習航海とかで必ず乗ることになるんだけど。乗れば、今よりもっと距離が近づくことになるんだ。3段ベッドなんて、上下の人と5、60cmしか離れてないからね。



……うぅ、そうですよね。



海自って、とにかく服装容儀にうるさいでしょ?正直、ちょっとやり過ぎかなって気もするんだけど、その真意はピシッとしてないヤツがいると、組織が円滑に回らなくなるってことなんだよね。
服のホコリを取る、アイロンでプレスラインを出す、靴をピカピカに磨く……それらの先にある「端正さ」って言い換えると「清潔感」なんだ。



人間は、本能的に不潔を嫌がる。その中でもニオイへの嫌悪はかなり厳しい。単に服が汚いとかなら、触れる距離まで近づかなければ我慢できる人も多いけど、ニオイとなると距離を置いても辛い。本当に、生物の根幹の部分に働きかけてくるから……。



ええ、分かります……。



ニオイの厄介なところは、そこでのマイナス評価が人格への評価に繋がりかねない……つまり、人間関係を破綻に追い込みかねない、負のポテンシャルを持ってることにある。



ボクの期では、隣の分隊に凄いのがいてさ。護衛艦実習で夜その人がベッドに戻ってくると、周囲のベッドで寝てる実習員たちがみんな異臭で目覚めてしまって、寝不足に陥った……なんてこともあった。



うへぇ



そいつは、ニオイのことを一旦忘れて考えると、決して悪い奴じゃ無いんだよね。むしろ、性格的にはかなり良い部類に入る。でも、周囲はそう見てくれなかった。ボクも、正直近寄りたくなくて、積極的に話しかけには行かなかった。



今にして思えば、可哀想なことをしたような気もする。実際、そいつは、そいつ自身が悪かった訳じゃなくて、腋臭症(わきが)という、れっきとした病気だったんだよね。



えっ……病気で臭くなることもあるんですか。



そうだよ。しかも、腋臭症は遺伝によるところが大とされている……。原因になるアポクリン腺を切除する手術があって、重症の場合は保険診療で出来るようになっているから、そんなに悲観することは無いんだけど。
この記事に記載しているのは一般的なニオイ対策です。これらを試しても改善が見られない場合は、何らかの疾患に罹患している可能性もありますから、皮膚科等を受診し相談しましょう。



とは言え、その人に責があるかどうかで、周囲の人の辛さが変わるわけでもない。ボクより何期か前の幹部候補生では、もともと日常的な仲の悪さが、ニオイ問題をきっかけに爆発して、数人掛かりで臭い奴を押さえつけて全身に消臭剤をぶっかける……という暴行事案が起きたことすらある。



……(ブルブル



ね。だからニオイ対策は本当に大変なんだ。
ボクの覚えている限り、未来には腋臭症みたいなところは無かったと思うから、まず一般的なニオイ対策からやっていこう。
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ニオイ対策
ニオイの原因



じゃあ、対策について考えよう。そのためには、まず原因を明らかにしないといけない。どうして人間は臭くなってしまうと思う?



やっぱり、汗……ですよね。



そのとおり。汗のせいだね。他にも、皮脂や古くなった皮膚、それらが混ざり合った垢。でも、こうした老廃物は、分泌時点で悪臭物質を微量に含んでいるけど、あくまで微量。それだけでは酷い臭いにはならない。



じゃあ、どうしてニオイを発生するようになるのか。それこそが細菌の働きなんだ。



人間の皮膚の表面には、様々な常在菌……たとえば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)や枯草菌(Bacillus subtilis)、他にも数え切れないくらいの種類の菌が存在している。



こうした微生物は、身体の表面で脂質やタンパク質を分解して、脂肪酸やイソ吉草酸のような物質を生み出す。これこそがニオイを発するんだ。



だから、菌を殺さないといけないんですよね?



うん、さしあたってはそういう話になるんだけど、まだ原因の話が終わってないから続けるね。



原因はもう一つ。それが脂質の酸化。微生物による分解もされるんだけど、それがなくても皮脂は自動酸化して悪臭の原因になる。



あー、父から古い天ぷら油みたいな臭いがするのは、そのせいですか。



まさにそうだね。「汗のすえた臭い」と違って腐敗感はないけど、脂の酸化臭は決して気分のいいものじゃない。だから、こっちにも注意が必要なんだ。



で、分かってるとは思うけど、これらの悪臭が発生するのは身体の表面だけじゃない。垢や皮脂が付着した衣服や靴でも同じことが起きるね。



だから洗濯しろって話ですよね。



最後にもう一つ。これまで話した微生物の働きや脂質酸化は間違いなく主因なんだけど、それだけじゃない。それだけで悪臭がバンバン出るなら、多分そこら中が悪臭まみれになってしまう。
でもボクが思うに、江田島とか教育隊は、他の場所に比べても悪臭の発生率がなかなか高い気がするんだ。これは何でだと思う?



……そりゃあ、何かと汗かく事してるのに、風呂や洗濯をちゃんとやらない奴が多いからでしょ。



そういうことだね。ま、そもそものことを言うと、10代~20代は皮膚のターンオーバーや皮脂分泌の最盛期。その若者たちが集まって、毎日運動させられてるんだから、細菌のエサの供給には事欠かない。



しかも、入隊後の生活環境の激変によるストレスがある。ストレスがかかると、発汗量も増えるし、免疫システムが弱って皮膚表面での細菌の活動を抑制しにくくなる。それから、ストレス下では原因物質自体の分泌も増えると言われているね。



そこに、悪い生活習慣が加わる。時間がないからシャワーでお湯をかぶるだけで入浴を済ませたり、そもそも入浴をしなかったり。



入隊する前は、状態の悪くない洗濯機で毎日きちんと洗濯してもらえていた人も、入隊するとそうはいかなくなる。
そもそも洗濯機の状態が悪くて、洗ってるのか汚してるのかわからない感じになるし、台数も足りてないからスピードコースでちゃちゃっと済ませることになる。
で、乾燥室も換気設備が壊れていたりして、洗った衣服を2、3日ミストサウナに放置することになったり、



あー、確かにそんな感じですね。



というわけで、入隊直後の隊舎は悪臭を生む環境が完全に整っている。臭くならないわけがないんだ。



ひでぇ



だから、この原因を一つ一つ見て、どこかでチェーンを絶てないかを考えるんだ。
ちなみに、ここまで話したのは悪臭物質が生まれるまでの話。もっというと、悪臭物質は揮発性で、空気中に放出され、鼻の粘膜に届き、嗅覚の受容体に捕捉され、神経伝達が行われることで、悪臭として知覚される。
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対策の基本的な考え方
洗え!



じゃあ、「悪臭物質が生まれる→鼻に届く→認識される」チェーンを絶つには何をすればいいのか。
……まぁ、散々未来が言ったけど、要は洗えってことだよね。身体にしても、服にしても。



そりゃあ、そうでしょう。



ただ、世の中にはその基本が分かってない人もいるからね……。
洗浄は、最初のプロセス、つまり悪臭物質が生まれるところの根っこを絶つ行為なんだけど、他にも似たような話はある。それが、殺菌すること。消臭スプレーの広告で、「●●で洗おう!」なんて、洗濯と同じ効果を想起させるようなものも普通に流れてるね。



かく言うボクも、江田島の夏、どうしても洗濯出来ないときは、汗まみれの服に消毒用アルコールを大量にぶっかけて、バケツに蓋して1晩2晩を越したこともある。



いや、聞きたくなかったです、それ。



案外いける。アルコールのおかげで細菌を殺せるし、密閉すればアルコールの蒸発も抑えられるし、新たな微生物付着も防げるから……。悪臭物質の発生を抑えるって点でもそうだし、仮に発生しても、バケツに密閉されてるから、外に臭いは漏れない。



それ、ただの時間稼ぎじゃないですか。



そのとおり。皮膚や服にアルコールなどをぶっかけると、確かに表面にいる細菌の多くは死滅する。でも、餌になる有機物……皮脂や垢はそのまま残る。で、細菌はそこら中にいるから、また付着して繁殖することになる。微生物の世界は指数関数的に増減するから、2倍3倍なんて誤差レベル。生育環境さえ整えば、数時間で元通りになってしまうよ。



今言ったやり方は、アルコールでビショビショにした上で、しかも密閉してるから、ただちには悪化しない、まさしく時間稼ぎというだけ。翌日になれば綺麗さっぱりその服を着られるか、と言えば確実にNOだね。
怖くてやったことないけど、着たら昼過ぎには周囲から距離を置かれることになるんじゃないかな?



その点、洗浄は何が違うかと言えば、皮脂や垢を物理的に除去できるんだ。
洗剤には界面活性剤が含まれていて、親水性の物質と疎水性の物質を結びつけることができる。これによって、身体や服の表面にある細菌のエサを水にくっつけて、その大半を水へ移動させる。で、その水を捨てれば身体や服には、そうした物質がほとんど残らなくなる。おまけに、細菌も一緒に消えてくれる。



なんてことない簡単な話をわざわざ小難しく言ったけど、この原理をおさえずにニオイ対策の話はできない。



要は、大元の細菌やそのエサを取り除かない限り、ニオイの発生は抑えられないから、他の対策をしてもあんまり効果無いってことですね。
香りで誤魔化すな!



そういうこと。他の対策はあくまで洗浄とセットで考えるべき。
一番良くないのが、他の香りでマスキング、つまり香料で誤魔化そうとすること。



人間がどうしてニオイを嫌がるかと言えば、本来腐敗したものを食べないようにする防御機構なんだよね。だから、腐敗臭への鋭敏さはトップクラスになるよう、嗅覚はデザインされている。



たとえ爽やかな香りが近くで漂っていたとしても、腐敗臭を見落とさないくらいの能力を人間は持っているから、誤魔化しはきかないんだ。



その人間の本能すら乗り越えるほどの香りというと、かなり強いものになる。そこまでくると、もはやその香り自体が他人にダメージを与えかねない。
しかも、そういう香料への鋭敏さは人によりマチマチ。自分では大したことないと思っていても、他人からすると吐き気を催すようなニオイになってしまっていることすらある。



確かに、なんとなく分かりますね……。



だから、香りを付けること自体は否定しないんだけど、それはきちんと汚れを落とすとか菌を殺すとか、手順を踏んだ上で、最後にちょっとだけ香り付けする、というのが正しいんだ。



あくまで菌やエサを減らすのが優先ってことですね。
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皮膚へのアプローチ



じゃあ、まずは身体そのものから出るニオイへの対策を考えよう。
一番根っこになる、汗や皮脂、垢の発生を止めることは可能かな?



はい先生!まずは涼しいところにいるべきだと思います!



そのとおり!!
……とは言え、ずっと涼しいところにいられるなら苦労ないワケで。それが出来ないなら、どうする?



うーん……制汗剤とか使えば、汗は止められますかね?



まぁ、そうだね……。全く出来ないワケではない。ただ、完全に無くすのはムリだし、オススメはしないね。



制汗剤を使えば汗を減らすことは出来る。ただ、汗は体温調整に不可欠なものだから、熱中症のリスクを高めてしまう。入隊直後みたいな、身体への負荷が大きい時期には使わない方がいいね。それに、肌の弱い人は皮膚炎を起こすこともあるから、ボクはあんまりオススメしてないよ。
使うにしても、足の裏とか脇の下みたいな、ニオイに結びつきやすいところに、局所的に使うのがいいかな?



そして、皮脂や垢も止めることは出来ない。人間は常時、脂で表面をコーティングすることで防御しているし、古くなった表皮組織を押し出してターンオーバーしていくことで肉体を維持しているから。



ただ、ひとつあるとすれば、肌のトラブルを避けること。皮膚で炎症が起きていると、身体は皮脂の分泌量を増やすし、表皮組織自体もポロポロ取れるから、細菌のエサが増えていく。しかも、細菌を抑える力が弱まって、増殖させやすくなってしまう。
皮膚の健康を保つことが、根本的なニオイ対策に繋がるっていうのは覚えておいた方がいいね。



その話はエサの供給を減らすっていうよりは、よけいに増やさないってことですね。供給を減らせない以上は、供給されたものをどうやって除去するかが鍵になってきますね。
老廃物の出やすいところを重点的に



そういうこと。
結局は「汗・皮脂・垢がよく出る場所を重点的に洗え」って話。散々回り道してゴメンね。



いや、さっきからいつになったら結論を言うのかと思ってました……。
まぁ、でも。他の方法を考えても仕方ないってのはよく分かりましたよ。



ありがとう。で、具体的にどこを攻めるかなんだけど、細菌のエサが特に出やすいのは、後頭部、耳の周り、胸、脇の下、股、膝裏、足の指の股あたり。



結構多いですね。



最初は覚えるのも大変かもしれないけど、何回か洗っていれば、すぐに習慣化するよ。脇の下や股、膝裏、足の指の股なんかは皮膚同士が触れ合ってムレやすい場所だから、自然と洗いたくなるような場所だし。
オススメのシャンプー/ボディーソープ等



あとはシャンプーやボディーソープ、それから洗うときに使う布なんかもよく考えよう。今はどんなの使ってるの?



ああ、実家にあったヤツを適当に持ってきて使ってます。



そこも、ちょっと変えた方がいいかもね。



やっぱり、脂をしっかり落としてくれる強力なヤツが必要ですかね?



そこがちょっと難しいところ。巷に溢れるニオイ対策のシャンプー・ボディーソープの類は洗浄力を売りにしていて、とにかく脂を落とすことに余念が無いヤツが多い。なんだけど、脂を落としすぎると、却って肌にダメージを与えてニオイの原因になってしまうことがあるんだ。



えぇ……ニオイ対策の商品なのに、ニオイの原因になるんですか?



このあたりは、その人の肌のコンディションによりけり。洗浄力最強のヤツが絶対ダメって訳ではないからね。ただ、そういうのを使って良かったって人は見たことが無いなぁ。



殺菌力も同じ。細菌はニオイの原因になってしまうけど、同時に皮膚表面で脂質が分解されることで人間も利益を得ているんだ。分解生成物である酢酸や乳酸のおかげで皮膚は弱酸性に保たれ、他の微生物の増殖が抑制されているし、グリセリンが産生されることで皮膚表面が保湿されている。だから、殺菌のしすぎは却って皮膚にダメージを与えることになってしまう。



何にしても、中庸が重要ですね。



実際、高価格帯になるほど、洗浄力最強を謳う商品は減っていく。メーカーもそれが全てではないと、本当は分かっているんだ。
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- 脂の除去力・殺菌力・保湿力・刺激性などのバランスが取れており、フケやニオイの防止に効果的です!
- 競合商品に比べても安価ながら優れた能力があり、「MONOQLO 安くて良いモノ the BEST 2019-2020」では「髪や頭皮の汚れ全般に強くて刺激も少ない優等生シャンプー」と紹介されました。
- 僅かにメントールが含まれており、ほどよい清涼感あり!強すぎないのがいいところ!
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- 競合商品に比べても安価ながら優れた能力なのが良い!
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- 首から下に加え、顔にも使えます。(ちょっとスースーするかもしれませんが……)
- 万人受けする、ナチュラルなハーブ・シトラス系の香りで、同ブランドシャンプーと併用しても違和感なし!



あー、この広告のヤツ、時々ドラッグストアで見掛けますね。



MAROは、とにかくバランスが良くて、悪いところがない。激安ではないけど、「うっ……」ってなるほどは高くはない。洗浄力は、肌がカサカサになるほど強くなくて、でも汚れはきちんと落としてくれる。



MAROって、なんというか……ちょっとチャラいイメージがあるんですが。



分かる。正直言うと、ボクもティーン向けの、脂ごっそり除去・香料マシマシな安物だろうってバカにしてたんだ。若手俳優・俳優に奇抜な格好させるようなCMが多いからね……。
ところが、メーカーは「モイストダイアン」のネイチャーラボ。決して高級メーカーに列するものではないけど、安物メーカーでもない。CMの軽薄さに反して、中身はとても堅実なつくりになっているよ。



ちなみに、最近は店頭に並ばないことも増えてきてしまったね。同じシリーズ内の、もう少し高価な商品への置き換えが進んでいる。高いのはもっと良い使い心地なんだろうけど、ボクはこのくらいで十分かな?と思うね。
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べ、別に、もっと高いのを買ってくれてもいいんだからね……///



なんです?今の?
オススメのボディータオル



何も見なかったことにしよう。
さて、身体を洗うときにはもう一つ欠かせないのが、ボディータオル。ボディーソープや石鹸をとって、泡立てるのに使うね。これも、商品はきちんと選んだ方が良いね。



そうなんですか?タオルなんて、とりあえず汚れを擦り落とせればいいかなって思ってたんですけど。



堅めのボディタオルでガシガシ擦ると、皮膚にダメージがいってしまう。確かに気持ちいいんだけどね。でも、ニオイ対策としては逆効果。だから、ボディータオルは柔らかめがいいんだ。



ボクは候補生の時、手ぬぐいを使ってたよ。肌へのあたりは強くないから、その点は良かった。ただ、泡立ちはあんまり良くなかったんだよね。



細かい泡を作るのも、汚れを落としたり、肌のコンディションを維持する上で、とても大事なことなんだ。
というのも、泡が細かい方が皮膚表面の凹凸によく馴染んで汚れを落としてくれるからね。それに、十分に泡立っていない状態で肌に当たると、ボディーソープをそのまま肌に塗りたくっているような状態になる。軽く流した程度だと、界面活性剤が肌に残留して不要な刺激を与えてしまうんだ。



なるほど、たかがタオルで、そんなに違うもんですか。



で、ボクのオススメはこれ。
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- 「人の肌より柔らかい」がセールスポイント。
- 超極細のナイロン繊維を立体的に織り込んでおり、少量のボディソープで、素早くきめ細やかな泡立ちを実現し、ボディーソープの皮膚への残留を防ぎます!
- 柔らかな質感も、クリーミーな泡立ちも、全ては肌を傷つけないため。皮膚がダメージを受けると、炎症や皮脂の過剰分泌をもたらし、痒みやニオイの原因になります。手早く優しく洗いましょう。
- 水を吸わないナイロンで出来ているので、水切れが良くすぐに乾き衛生的です!
- 「テストする女性誌」LDKで、ボディタオル部門1位の評価を受けています。



キクロンはスポンジやボディータオルの代表的メーカー。前はシャリシャリなボディータオルをよく作っていたんだけど、最近はどんどん柔らかめのを出してきているね。



このタオルはボディーソープを付けてから、クシャクシャっと丸めて擦り合わせるだけで、タオル内の空気が取り込まれて細かな泡を作ってくれる。時短グッズとしても最適だよ!



それから、綿のタオルと違って、繊維自体は水を吸わないナイロンだから乾燥がとても早いのもいいね。ちょっとぶら下げておけばすぐ乾くから、タオル自体のメンテナンスのことを考えなくてもいいのが良い。



それは良い。洗面用具にカビが生えたりしたら、本当に嫌ですからね。
食生活にもご用心



あとは……食生活を変える、というのも一つの手ではある。砂糖や脂肪を多く含む食事をしていると、肌から分泌される皮脂の量が増加すると言われている。



まあ、3食自体は管理されているから、そんなに問題無いとは思うんだけど。どうしてもストレスがかかって、間食とか甘い飲み物が増えがちになるからね。
身体の洗い方に比べれば、影響は微々たるものではあるけど、対策の一つとして、ちょっと注意してもいいかもね。
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服へのアプローチ



肌へのアプローチが終わったところで、今度は衣服についても考えよう。
こまめに洗え!



これも、洗えってことですよね。



うん。皮膚以上に単純明快で、そういうことになる。
人の肌と違うのは、洗浄力を高くしてもそんなに問題無いこと。ウールやシルクみたいなデリケートな繊維は別として、綿やポリエステルは化学的に強い繊維だから、強力な洗剤を使ってもきちんとすすぎさえしておけば、一向に構わない。



で、とにかく洗濯をこまめにすること。「2日分まとめて洗濯しよう」なんてやり始めると、その一晩で細菌がどんどん繁殖していくことになるからね。



ま、それが出来たら苦労しないんですが……。



学校や教育隊では、洗濯機の可働機がとにかく少ない。だから、同期とまとめて洗濯したりするんだよ。そうするには、まず同期と仲良くやること。ムダに距離を取らないようにね。



ぬぅ……。
同様のことは、空間的制約の大きい艦艇でも言えます。一人一人が毎日洗濯機を使っていては、洗濯機がいくらあっても足りないので、仲の良い同僚と一緒に洗濯する、というのはよく行われています。海自はそういう隊員一人ひとりのゆとりを大切にしないからなぁ……と言われがちですが、実はさらに「個人」を確保していないのがアメリカ海軍。米海軍の艦艇では、居住区単位で洗濯物をまとめてドンと大型洗濯機に放り込んで処理してしまうんだとか。合理的と言えば合理的ですが、「個人」意識の強い米国で、自分の下着とよく知らんおっさんの下着を触れ合わせることが、ごくごく当たり前に行われている……というのは、なかなか意外です。
粉末洗剤+粉末漂白剤がオススメ



それから、洗剤の選定にも注意が必要だね。何を使ってるの?



ああ、それなら、前に先パイに奨められた濃縮タイプの液体洗剤を使ってます。



うん、やっぱりそうだよね。
液体洗剤も決して悪いものじゃないけど、ニオイが気になるなら粉末洗剤に乗り換えるっていうのもアリだよ。



液体と粉末で、何か違うんですか?



うん。液体洗剤より粉末洗剤の方が洗浄力が強いんだよ。



えっ、私が使っている洗剤だって洗浄力が強いのを売りにしてるのに!



……まぁ、メーカーだって「洗浄力弱めです」とはなかなか言えないよね。
確かに最近、メーカーは液体洗剤を凄くプッシュしてて、メインはみんな濃縮タイプの液体洗剤になってる。で、それらには必ず高い洗浄力が謳われている。ただ、それは「従来の液体洗剤に比べて」強力というだけで、今もなお粉末洗剤の方が強いのは変わらないんだ。



だって、洗剤を粉のまま売ってるか、溶かして売ってるかの違いじゃないんですか?



ところが、粉末洗剤と液体洗剤では、そもそも成分が違うんだ。その結果、水に溶かしたとき、粉末洗剤は弱アルカリ性、液体洗剤は中性を呈する。



さあ、小学校の問題。アルカリ性の液体を指で触るとどうなる?



ヌルヌルする……、タンパク質の分子構造が破壊されて、分解される……でしたね。



そのとおり。



それに、なんとなく思い出しましたよ。
昔、科学教室でやった石鹸作りだと、食用油に「苛性ソーダ」を入れてましたけど、苛性ソーダって水酸化ナトリウムですよね。アルカリ性のものと油を混ぜると石鹸になるんですか?



うん。アルカリ環境下では脂汚れの脂肪酸自体が、脂肪酸塩……要するに界面活性剤化するから、親水性が高くなって落ちやすくなる。



しかも、洗剤に添加されている分解酵素も、弱アルカリ性のもとで活発に働くものが多い。



そりゃあ、アルカリ性の方が良いじゃないですか。



でしょ?だから、高い洗浄力が欲しいときは粉末洗剤を使った方が良いんだ。
粉末洗剤 | 液体洗剤 | |
---|---|---|
メリット | ● 洗浄力が強い | ● 溶け残りが生じない ● すすぎ1回でも良い商品がある ● 使える洗濯物の幅が広い |
デメリット | ● 水温が低いと、溶け残りが生じる ● すすぎ2回が必須 ● 粉が飛び散りやすい ● ウールやシルクなど、タンパク系繊維には使用不可 | ● 洗浄力が弱い |



すすぎ2回というのも結構重要なポイント。液体洗剤の宣伝では「すすぎ1回でOK」と謳っているけど、やっぱりすすぎは2回やっておいた方が汚れ落ちは良いんだ。



洗濯機は、通常の洗濯工程が終了したら、1回洗濯水を捨てて、水を入れ直して撹拌することで、繊維に残留した界面活性剤や汚れを水に浮かせて、また水を捨てる。ここですすぎ1回だと、あとは脱水するだけになってしまって、結構な量の界面活性剤や汚れが残ることになる。



時間の問題や節水のこともあるから「絶対すすぎ2回」とは言えないのが現実だけど、ここぞと言うときには、すすぎ2回をなんとか確保するといいよ。



なるほど、分かりました。



ただ……学校で使うのは、ちょっと厳しいですかね?



うん。台風で飛ばされると、粉末洗剤は悲惨なことになるからね……。同じ理由で、艦艇でも使うのは難しい。



残念!



もう一つの対策として、漂白剤を使うのもいいよ。



漂白剤ですか。今のところ、シミにはそんなに苦しめられていませんが……。



いや、漂白剤はシミ対策にも使うんだけど、ニオイ対策にも有用なんだよ。漂白剤は雑菌を死滅させてくれるし、皮脂やタンパク汚れを分解する力があるから。



あら、そうだったんですか。そういや、漂白剤にも液体と粉末があるみたいですけど、どっちがいいですか?



漂白剤も、粉末の方が洗浄力が高いよ。液体漂白剤は過酸化水素が主成分、粉末漂白剤は過炭酸ナトリウムが主成分で、後者の方が、皮脂汚れに対する反応性が高い。



皮脂汚れ対策は結構重要で、細菌を原因とする腐敗臭は、とりあえずきちんと洗濯すればなんとかなる。でも、繊維にこびりついた皮脂の酸化臭は、都度、皮脂を除去していかないと防げないんだ。
衣替えのとき、久々に下着をタンスから出してみたら、なんか古い油みたいなニオイが漂う。あれこそが脂の酸敗臭。



だから、きちんと脂を落としておけってことですね。



そう。粉末洗剤+粉末漂白剤でしっかり洗浄しておくのがオススメだよ。
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- 皮脂汚れや雑菌を除去することで、生乾き臭や脂の酸化臭を予防できます。
- シミ抜きにも最適!黄ばみ・黒ずみ、エリそで汚れ、血液、食べこぼしなど、洗剤では難しい汚れにも対応します。
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- 界面活性剤が含まれていないため、洗浄力ではワイドハイターPROに劣りますが、泡立たないので浸け置き後のすすぎが楽なのがポイント!



この花王のヤツって、前に通信士が何やら言ってましたね……。なんでしたっけ?



ああ、あれは……通信士の趣味の話。ちょっと前にパッケージデザインがリニューアルされてしまったんだけど、通信士はそれが気に入らなくて、古いパッケージに新しい詰替品を入れて後生大事に使っているんだってさ。



すごい特殊な趣味だ……。


この力強いパッケージ、とくと照覧あれ



ちなみに、漂白剤には酸素系と塩素系があって、今回紹介したのは全部酸素系の話。塩素系漂白剤はもっと強力だけど、扱いが難しいから今回は紹介しないでおくね。
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柔軟剤は控えめに



そういえば、柔軟剤は使ってる?



ええ、もちろん。ニオイ対策に効くと言いますし。



それも、よく考えた上で、控えめにした方がいいよ。



えっ、



柔軟剤の主成分は陽イオン系界面活性剤。それをすすぎのタイミングで混ぜているんだ。すると、界面活性剤の親水基側が繊維と結合して、疎水基側が外側に向き……要するに、繊維の表面に油の膜を作って摩擦を軽減する、これが柔軟剤の仕組み。



というわけで、柔軟剤を使うと、その服は油でコーティングされた状態になる。少量ならそんなに問題にならないんだけど、あんまり量が多いと弊害が出てくる。
そもそも疎水基……つまり親油性の高い膜を作るんだから、油脂汚れが付きやすくなる。そして、洗濯するときに繊維が水を吸いにくくなるせいで洗濯水が行き届かず、しかも洗剤が柔軟剤を落とすのに使われてしまうから、肝心の汚れが落ちにくくなる。



えぇ……。



あと、油でコーティングして保湿しているわけだから、干すときの乾きも悪くなる。生乾き臭の原因になるね。



そんな……。ニオイを防げると思って使ってたのに。



確かに消臭を売りにしている柔軟剤は多い。でもそれは、やっぱり「柔軟剤を使う割には消臭できる」くらいのスタンスで受け止めた方が良いよ。



そして、さっきも言ったとおり、香りの感受性は個人差が大きい。消臭だと思って使っていた香料が、他の人からは悪臭と思われていることもあるから、注意が必要だね。



分かりました……。何事もほどほど……ですね。
服の買い換えもアリ



さて、色々言ったけど、服の場合はいくら洗ってもどうにもならないとき……というのが来る。



あまりにも酷い汚れが付いてしまった場合とか、完全に菌の巣になってしまった場合とか。
ありがちなのが、皮脂の酸化臭が強くなった場合。繊維から除去しきれなかった皮脂が酸化してしまうと、多少洗ったところで落ちなくなる。そうなったら、その服にこだわって何度も洗っても、正直ムダ。おとなしく買い換えた方が楽ってこともある。



まあ、下着はある程度消耗品と考えた方が良いんでしょうね……。



買い換え先もちょっと考えた方が良いよ。



というのも、化繊の下着はニオイが付きやすいんだ。



へぇ、そうなんですか。



うん。化学繊維の代表格、ポリエステルは分子構造から強い疎水性を持つ……つまり、水を吸いにくく、油と馴染みやすい。これこそが、速乾素材としての特性を生んでいるんだけど、とにかく皮脂汚れの落ちが悪いし、臭気成分とも結合しやすい。



一方で綿の主成分はセルロースで、水酸基を多く含むことから親水性が高い……つまり、水を吸いやすく、油に馴染みにくい。だから、化繊下着に比べると、綿の下着は油汚れに強く、ニオイ対策になるんだ。



なるほど。でも、綿かぁ……。



気持ちは分かる。このクソ暑い夏場、速乾素材なしに生きていくのはあまりにキツい。最近では「綿だけど速乾」っていう商品も登場してきているけど、化繊に比べるとどうしてもドライ感で劣る。
化繊下着がニオイやすいことを理解して、枚数多めに用意するとか、強力な洗剤を使うとか、色々工夫するのもアリだね。
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- 吸水速乾性に優れ、汗ムレを防ぎます。
- 化繊ですが、細菌の増殖を抑える消臭加工が施されており、比較的臭いません。
- 接触冷感に加え、薄手で通気性が良く、夏に最適な着心地です。
- 綿100%。綿の特性に加え、消臭加工が施されていることもあって、化繊下着に比べて臭くなりにくいのがポイントです。
- 吸水性に優れ、通気性も良好です。ただ、「綿100%にしてはサラッとしている」という感じで、化繊の吸水速乾シャツに比べると、どうしてもドライ感で劣ります。
- 綿100%なので、肌へのあたりが柔らかく、着心地が良いのもポイントです。
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足回りは特に……



これまで何かと洗え洗えと言ってきたけど、それがなかなか、そうもいかない場所があるんだ。



足ですね。



そう。服は洗えばどうとでもなるんだけど、靴……スニーカーならともかく、革靴は簡単に洗浄できない。



そもそも位置的に埃などを浴びやすく微生物が侵入しやすい、簡単に老廃物を除去できない、常に高温多湿に晒される、と三拍子そろって、足まわりはまさに菌の温床になりやすい。



水虫にもなるわけですね。



足の裏は身体の中でも特に分厚い皮膚に守られているけど、こうしている今も、表面のふやけた部分を細菌や真菌がエサにして増殖しているよ。



聞きたくなかった……
足はしっかり洗浄



だからまずは、せめて洗える足をしっかり洗うこと!ただ、足裏は皮膚が分厚くて凹凸が深い分、普通の石鹸では分が悪い。



そしたら、足を消毒用アルコールに漬けておけば良いんじゃないですか?



おう……なかなか過激派。
それも絶対にダメとは言わない。ボクもやった事あるし。ただ、皮膚がダメージを受けるから、身体が弱ってるときにやると却って水虫の原因になったりする。というか、ボクがなった。



あっ……



あれは、なかなかキツかった……。
指の股が膿んで、腐敗臭を漂わせたよ。



それはご勘弁願いたい……。



だから、皮膚へのダメージを防ぎながら、殺菌・洗浄しないとダメなんだ。
オススメはブテナロックの足洗い用ソープ。
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- もともと水虫予防を主眼に開発された、殺菌成分・抗炎症成分を含む医薬部外品です。普通のボディーソープでは足りないアナタの、足裏や指の股を徹底的に殺菌して、菌の温床になることを防ぎます。
- 非常にクリーミーな泡立ちで、ゴシゴシしなくても汚れを落とせます。
- 一般的なボディーソープに比べて、さっぱりした洗い心地です。
- 「足洗い用」と銘打っていますが、全身にも使用可能です。脇の下など、ニオイの気になるところにどうぞ。



これは……水虫薬ですか?



いや、水虫薬のブランドで売ってるけど、水虫治療の効果効能は謳ってないね。



ただ、以前読んだ開発者インタビューによれば、もともとは水虫予防グッズとして開発したものだったらしい。
そのため、バクテリア・真菌の双方に有効なサリチル酸が殺菌成分として含まれている。サリチル酸は同時に皮膚の一番表面の部分を剥がしてターンオーバーを促進する作用があるから、足裏に付着した微生物を除去することもできる。



そして、グリチルリチン酸ジカリウムという抗炎症成分も含んでいる。要は、菌を殺して除去して肌の炎症を抑えれば、自ずと足のコンディションも良くなろう……というコンセプト。



理にかなっていますね。



効果効能として標榜していない以上、水虫予防のために使うべきかは微妙なところだけど、ニオイ対策としては素晴らしい能力を持っているよ。
靴は殺菌消毒を



さて、足の次は靴。
そもそも、靴の専門家の人に言わせると、靴は1日履いたら1~2日くらい乾燥させる必要があるという。とはいえ、そんな何足も靴を保管しておくスペースはない。だから、靴内パンデミック不可避の条件を揃えながら、それを回避する必要がある。



靴は普通の衣服と違って、簡単に洗濯できない。だから、対策は殺菌消毒が中心になるよ。



それこそ、さっき出てきたアルコールをぶっかけてしまえ!って案も現実味が出てくる。靴内に消毒用エタノールを噴霧しておくと、ある程度は効果を見込めるよ。



でも、それでビショビショにしてしまったら、しばらく履けなくなりますね。



うん、だからやるのは1日の終わりに。



もう一つある便利グッズがグランズレメディだよ。
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- スプレータイプの追随を許さない、圧倒的消臭力!筆者の知る限り、これを超える靴用消臭剤は存在せず、多くの自衛官が愛用しています。
- 1日1さじ、靴内に放り込んでおくだけで、1週間もすればニオイが消えます。
- ミョウバンによる制汗作用やタルク(ベビーパウダーの主原料)による吸着作用により、汗ムレを防止しドライな靴内をキープします。
- 評判が良い一方で少々高価なことから、ニセモノが出回っています。信頼できる販売店を通して買いましょう。(当広告は、正規品販売証明を取得しているMISTER MINITのストアにリンクしています。)



あ、これは1課程で持ってるヤツがいますね。



これはね、スプーン1杯靴の中に入れておくだけでニオイが消える、魔法の粉なんだ!



……。



えっと……ですね。先パイ。いつも親切にしていただいているのには、本当に感謝してます。
でも、そういう宗教とか、悪徳商法みたいなのの勧誘をされるようなら、先パイとの関係もこれまでということで……



いや、待て待て!違うって!



グランズレメディは、商品名こそ、そういう感じのネーミングだけど、きちんと何故効くかが証明されてる商品だよ。



はぁ……左様ですか。



グランズレメディの主成分は、ミョウバンとタルク(滑石)と酸化亜鉛。



ミョウバンって、漬け物とかに使われる、アレですか。



うん、食用のイメージが強いけど、皮膚に触れると皮膚を引き締め、発刊を抑制する制汗効果があるんだ。しかも、殺菌作用も有する。化粧品としてミョウバンの水溶液を使う人がいるくらいなんだ。



タルクや酸化亜鉛はベビーパウダーの原料だね。水分をよく吸着しつつ、サラサラの性状を維持してくれる。



つまり、殺菌しつつ、汗を減らして、出てきた汗も吸い取ってくれると。



そういうこと。ただ殺菌してくれるだけじゃなくて、靴の中をドライに保ってくれるのが、またいいところ。



さすがに1回2回では劇的効果が得られないけど、1日1回靴内に投入して数日すると、かなり効果が出てくる。1週間もすると、ほとんど無臭になるよ。



それはすごい。



靴用消臭剤というと、乾燥剤を詰めるタイプや、消毒・芳香剤やスプレーするタイプなど色々あるけど、僕の知る限り、これを超える消臭剤は存在しない。それくらい出来がいいよ。



欠点は、ちょっと値が張ること。
それから、使い始めに粉が飛び散りやすいこと。冬制服に黒短靴だと、ちょっとキツいかも。夏服とか、作業靴なら容赦なく使って大丈夫。
対策は複合的に



足まわりに限った話ではないんだけど、特に足で気をつけてもらいたいのが、複数の対策を同時並行で行う、つまり、複合的な対策が必要ってこと。



足まわりの衛生環境がよろしくないことを考えれば、対策してない足や靴は、相当な雑菌まみれになっている。
仮に、どちらかで対策を講じて改善したとしても、靴を履けば足と靴の間での菌の移動が起きて、元の木阿弥になってしまう。ピンポン感染みたいなものだよ。



特に、靴を買い換えたときは、靴下も新品に、足もいつも以上によく洗浄してから履く。そういう点に気をつけるだけで、再発防止に繋がるよ。
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外出時間を活用しよう



これまで色んな対策を挙げてきたけど、学校の中でやるのは結構難しいものもあったね。



ええ、粉末洗剤や粉末漂白剤を使うとか、そのあたりは校内では厳しいですね……。



風呂も、本当にお湯を引っかけて飛び出てくるので精一杯な日がよくあるので。時間掛けて洗ってられないですね。



まぁ、そうだよね。
だからこそ、週末外出したときに、下宿でしっかり洗濯や入浴をしてもらいたいんだ。



えっ、わざわざ洗濯物を下宿に持って帰るんですか?



うん。ちょっと違和感あるかもしれないけど、水の乏しかった昔の艦艇では「洗濯や入浴のために上陸する」っていう制度があって、みんな外で遊びつつ、そういう用事を済ませていたんだ。



はぁ、そうですか……。



しかし、せっかくの週末、下宿で洗濯に時間を使ってしまうというのはどうも……。



まぁ、そう思うかもしれない。
ようやく手にした休みだもんね。



ただ、覚えておいてほしいのは、自衛官に限らず、社会人は皆、余暇の時間を使って、洗濯や入浴をしているんだ。今更過ぎて、考えたこともないかもしれないけど。



未来は入隊前、どうやって洗濯してたかな?多分、実家で親にやってもらっていたんだと思う。じゃあ、ご両親は週末になったら洗濯してなかったか?多分してたはずなんだ。



……まぁ、そうですね。



学校や教育隊にいると、洗濯や掃除まで仕事みたいなものになってるから、そのあたりの線引きが曖昧になっているけど、本来そのあたりは全部自分のプライベートでやるべきこと。
仕事以外の時間を、趣味に充てるか、食事に充てるか、睡眠に充てるか……という自分の人生経営の話なんだ。



もし、衛生面でトラブルが起きているなら、趣味に充てる時間を削ってでも、その回復にあたらないといけない。そうやって、うまくやりくりしていくのが社会人だからね。



はい……。



それに、普段学校でまともに入浴や洗濯できてないんだから、やってみるとそれはそれで気持ちいいもんだよ。下宿に風呂が付いてるなら、一人でゆっくり入ればいいし、付いてないなら銭湯にでも行けばいい。



呉からなら、坂に行けばスパ・シーレもあるし、呉駅からバスで倉橋島に渡れば、桂浜温泉もある。そこでじっくり汗を流すのも乙なもんだよ。
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悩みすぎないのも大事
自臭症にも注意



そもそもの話なんだけど、未来は、自分が臭いんじゃないかって疑ってるけど、それって誰かに言われたりしたの?



いえ、直接なんか言われてはないです。
ただ、廊下ですれ違うとき、距離を取られたり……色々です。



で、自覚症状はあるの?



いえ、無いです。でも、自分のニオイは分からないって言うじゃないですか。



うん、確かにそう言うね。だからこそ、ニオイの問題は難しい。



ボクが思うに……、もちろん、さっき挙げたようなニオイ対策はよくやった方がいいと思うんだけど。それ以前に、同室の子と話した方が良いんじゃない?



話すって、何を?



「自分がニオイで迷惑かけてないか」だよ。



ニオイ対策の話が世に広まると同時に、結構社会問題化しているのが、自臭症という話でね。
自分が他人にニオイで迷惑を掛けているんじゃないかと心配するうちに、他人の何気ない仕草や言葉が、すべて自分のニオイのせいじゃないかと思い込むようになってしまう。それが行きすぎると、極端な潔癖症に陥ったり、自信を喪失して精神疾患に陥ったりと、まともな社会生活を送れなくなってしまう。



これを克服するには、そもそも「ニオイくらい多少はするものだ」っていう、ある種の開き直りも必要になってくる。



いや、だって、ニオイの問題はシャレにならないって、先パイが言ったんじゃないですか。



でも、無臭にしないといけないわけじゃない。
ニオイ対策をする目的は、円滑な集団生活を送るためであって、ニオイを消すこと自体は目的じゃ無いでしょ?



だから、他の人が許容できる程度のニオイなら、別に残ってたって良いんだ。
親しい人の助けを借りよう



そこで大事になってくるのが……はい、やっぱり同期。



自分が臭いんじゃないかと疑うなら、まずは、同期に聞いてみることだよ。



それ、正直に答えてくれます?



人による……まあ、面と向かっては言いづらいかもね。
でも、江田島の場合、1課程は結構容赦なく「臭いぞ」って言ってくる傾向が強い気がする。実際、それを放置しておくと皆が不幸になるからね。彼らは小原台でそういうケースを何人も見てきているから、割とズケズケものを言う。



言われたら言われたで、ちょっとムッとするかもしれない。でも、他人が言いづらいことを言ってくれるというのは、本当にありがたいことだからね。



周囲の仲の良い人とよく話してさ、気持ちの良い集団生活を送れるようにしようね。



……分かりました。何人か、アテがあるので聞いてみます。
イメージも大事



あと、「清潔感」はイメージも大事だから、そこはちょっと気にしてもいいかも。



身の回りの整理整頓とか、制服のプレスラインとか、髪の端正さとか。



見た目がだらしないと、なんとなく不潔に見えて、気にならなかったことが気になってまうってことですか。



そう。それはニオイに限らず、人間関係を円滑にするための工夫だからね。ちょっとした身だしなみに気をつけて、周りと仲良くやろうね。
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- ヘッドが360°方向へ柔軟に動き、ひげの濃さを認識してパワーが自動制御されるので、過度な力がかからず最適な剃り心地を得られます。
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- 高級感のある、頑丈な革ケースが付属します。持ち運びの多い生活に最適!
- 防水仕様なので、風呂場でも使えます。アルコール洗浄システムが使えないときでも、水道水と中性洗剤でジャブジャブ洗浄できます。
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数日後



うーん……未来は、本当に大丈夫だろうか……。



……あ。そういえば、うちの同期が候補生学校で教官やってるじゃないか。ちょっと探りを入れてみるか。



おお、遠見か。久しぶり~。どうした?



いやぁ、実はさ。1隊の候補生に京井未来っていうのがいるんだけど……知ってる?



んん?……ウチの分隊だけど。
ひょっとして、なんか部隊に迷惑かけるようなことした?



いや、違うよ。実はボクの高校の後輩で、ちょっと面倒を見てて。最近どんな感じかなって思ってさ。



えっ……、アイツ、お前の後輩かよ…!!



その口ぶりだと、結構アレな感じみたいだね。
ごめん、ひょっとして、異臭騒ぎとか起こしてる?



何それ?知らんけど。アイツ、今日も教官室に出頭してきたけど、別に普通だったぞ。
いや、そんなことどうでもいいんだ。アイツ、本当に頭のネジぶっ飛んでるんじゃないか?大丈夫か?



分隊員と全然仲良くしようとしないし、いちいち癇にさわるような言い方をするし、教官に指導されても全く顔色変えずに言い返すし……。分隊長だからって、あちこちから来たクレームに対応させられてるんだよ、こっちは!



あの…その。ごめんね?なんか。



あれで、ペーパーテストだけは毎回トップクラスの点を獲ってくるから、余計に厄介なんだよ。なぁ、遠見。お前先輩だったら、ちょっとは指導しておいてくれよ。



ゴメンゴメン。本人にはきちんと言っておくからさ……。



頼むよ?ホント。(ガチャン



……ということは。



ニオイ問題は一件落着……じゃないよなぁ……?
この記事では、集団生活における臭いの問題について、次の内容を説明します。
- 軽視すべからず
- 寝食の距離が近い環境
- 人間関係を破綻させるおそれ
- 対策
- 臭いの原因は主に細菌と脂質酸化
- 洗濯・入浴の頻度・質の低下や劣悪な生活習慣により、悪臭化を防げなくなる。
- 基本的な考え方
- 洗浄(=有機物・細菌の双方を除去)は最も効果的な手段
- 洗浄しないで行う殺菌の効果は限定的
- 他の香りでのマスキングは避けるべき
- 皮膚へのアプローチ
- 後頭部、耳の周り、胸、脇の下、股、膝裏、足の指の股などを重点的に洗浄
- 強く擦ると逆効果
- 食生活の改善(脂質減)も有効
- 服へのアプローチ
- こまめな洗濯
- 漂白剤や粉末洗剤の活用
- 柔軟剤は控え目に
- 服の買い換えも有効
- 靴の問題
- 靴は洗浄出来ないものが多いため、殺菌が主な対策になる。
- 足の裏や指の股は細菌の温床になりやすく、複数の手段を複合させないと解決は困難
- 外出時間の活用
- 校内や艦内の生活で、洗濯や入浴に時間をかけるのは困難
- 外出・上陸時に時間をとるのも一考
- 臭いの原因は主に細菌と脂質酸化
- 悩みすぎない
- 自臭症にも注意
- 親しい人の助けを借りよう
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