この記事では、海上自衛隊の勤務地について次の内容を説明します。
- 艦艇部隊の主要な勤務地は、横須賀・呉・佐世保・舞鶴・大湊の5か所であること。
- 潜水艦部隊は横須賀・呉の2か所であること。
- 固定翼の航空部隊の主要な勤務地は、鹿屋・八戸・厚木・那覇・岩国の5か所であること。
- 教育用として、下総・小月・徳島にも基地を保有していること。
- 回転翼の航空部隊の主要な勤務地は、館山・大村・舞鶴・小松島・大湊の5か所であること。
- 一部部隊は岩国や厚木でも所在すること。
- 東京にも、海上自衛隊の職場は存在すること。
- 最も行ける可能性が高いのは防衛省本省の海上幕僚監部であり、多くの幹部が経験している。
大事なことを聞くの、忘れていました。
海上自衛隊の人って、どこで働いてるんですか?
確かに。それは結構大事な話だね。
そしたら、今回は勤務地について話をするね。
艦艇部隊の勤務地
主要な艦艇部隊は全国5か所
まず艦艇に限った話ではないんだけど、海上自衛隊の担当区域は大きく分けて5つのエリア=警備区があるよ。
各警備区には「地方総監部」という部隊があって、准曹士隊員の人事管理や警備区内のパトロールを担当しているんだ。
より正確を期すなら、海上自衛隊の部隊は「自衛艦隊」と5つの「地方隊」があり、各地方隊には部隊長である「地方総監」の下にぶら下がる部隊(造修補給所や警備隊など)の1つとして「地方総監部」があります。とはいえ、地方総監自身が陣頭指揮を執るようなことはありませんから、地方隊としての主要な業務はスタッフ集団である「地方総監部」が実質的に行っています。このあたりが地方隊と地方総監部が混同される所以です。
以前話していた「曹士はほとんど引っ越ししない」って話の理由ですね。地方総監部の管理している警備区内での異動が原則だからっていう。
そのとおり。そして護衛艦のような主要な艦艇部隊は地方総監部が設置されている港に在籍しているよ。
つまり、ほとんどの艦艇乗員の勤務地は横須賀・呉・佐世保・舞鶴・大湊の5ヶ所ということですね。
そういうこと。一部の小さな艦艇は、他の基地に所属していることもあるよ。多用途支援艦、ミサイル艇、掃海艇とか。
人数があまり多くからほとんどの人は行かないけど、ひょっとしたらこういうところで働くこともあるかもしれないね。
- 多用途支援艦
- 佐伯基地分遣隊(大分県佐伯市):多用途支援艦「げんかい」
- ミサイル艇
- 余市防備隊(北海道余市郡):第1ミサイル艇隊「わかたか」「くまたか」
- 機雷艦艇
- 函館基地隊(北海道函館市):第45掃海隊「いずしま」「あおしま」
- 阪神基地隊(兵庫県神戸市):第42掃海隊「つのしま」「なおしま」
- 下関基地隊(山口県下関市):第43掃海隊「とよしま」「うくしま」
- 沖縄基地隊(沖縄県うるま市):第46掃海隊「ししじま」「くろしま」
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潜水艦は全国2か所
一方で、潜水艦は横須賀と呉にしか基地がないんだ。
他の港は使わないんですか?
一時的に入港することがないわけではないけど、あんまり見たことないかな。
これは潜水艦の人たちがよく強調するポイントなんだけど、2か所しか基地が無いということは、転勤の少なさに直結するんだ。
おぉ、そうか。言われてみれば。
羨ましい限りだ。。。
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航空部隊の勤務地
そう言えば、海上自衛隊は飛行機も持ってるって言ってましたね。飛行機の人はどこで働くんですか?
航空機は固定翼と回転翼で基地が分かれているんだ。
固定翼部隊は全国5か所+α
固定翼部隊の主要な飛行場は全国に5か所あるよ。これに加えて、教育用の飛行場が3か所あるんだ。
- 鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市):第1航空群など
- 八戸航空基地(青森県八戸市):第2航空群など
- 厚木航空基地(神奈川県綾瀬市):第4航空群など
- 那覇航空基地(沖縄県那覇市):第5航空群など
- 那覇空港と共用
- 岩国航空基地(山口県岩国市):第31航空群など
- 岩国錦帯橋空港と共用
- 教育用の基地
- 下総航空基地(千葉県柏市)
- 小月航空基地(山口県下関市)
- 徳島航空基地(徳島県板野郡)
- 徳島阿波おどり空港と共用
ちなみに、これに加えて硫黄島や南鳥島のような離島にも航空基地があるよ。まぁ、小規模な基地だから行く人はあまりいないけどね。
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回転翼は全国5か所+α
主要な回転翼部隊の飛行場は全国に5か所あるよ。
- 館山航空基地(千葉県館山市):第21航空隊など
- 大村航空基地(長崎県大村市):第22航空隊など
- 舞鶴航空基地(京都府舞鶴市):第23航空隊など
- 小松島航空基地(徳島県小松島市):第24航空隊など
- 大湊航空基地(青森県むつ市):第25航空隊など
回転翼部隊が使ってるのはほとんどがSH-60JあるいはKという哨戒ヘリコプターなんだけど、これとは別に、MCH-101という掃海や輸送に使われる大型のヘリコプターを運用している第111航空隊は、固定翼部隊がいる岩国航空基地に所属しているよ。
さっき、固定翼だと教育用の飛行場があるという話でしたが、回転翼にはないんですか?
回転翼のための教育部隊が、固定翼で挙げた鹿屋航空基地に所属しているよ。回転翼の教育だけに使われている飛行場はないね。
それから、厚木には研究開発や訓練指導を担当する第51航空隊がいるんだ。この部隊は固定翼も回転翼も、両方持っているよ。
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首都圏でも働ける?
先パイ、あの。気になってたんですけど。
ほとんどの勤務地って、その……。田舎ですよね。
おい、お前!もういっぺん言ってみろよ!!
……まぁ、そうだね。決して僻地ではないけど、少なくとも100万都市とかではないね。(阪神基地隊を除く)
別に、地方がだめって訳ではないんですけど、私は地元も東京ですし、やっぱり東京で働きたいんですよね。
ダメって言ってるじゃん
まぁ、気持ちは分かるよ。ボクも同じ境遇だからね。都会育ちからすると、地方暮らしはホームシックと不便さのダブルパンチを食らうから、結構辛いんだ。
でも大丈夫!東京にもきちんと海上自衛隊の職場はあるんだ!
(そこで働けるとは言ってない
- 防衛省本省(市ヶ谷)
- システム通信隊群・中央システム通信隊・保全監査隊(市ヶ谷)
- 東京業務隊(市ヶ谷)
- 海上自衛隊幹部学校(目黒)
- 海上自衛隊補給本部(東十条)
この中で、補給本部はロジスティクス関係の職域で働いている人がもっぱら行くところだから、ここに行けるかどうかは職域次第。行けない人は基本的にいけないと思った方が良いよ。
可能性として一番大きいのはやっぱり、防衛省本省、つまり海上幕僚監部だね。
そこには誰でも行けるものなんですか?
みんながみんな行けるって訳ではないけど、幹部、特に一般幹部候補生っていう採用区分で採用された幹部は、人生のどこかで海幕勤務を経験するって人が多いね。
職域(艦艇系の人か、航空系の人か、経理補給系の人か、など)は、海幕のどのセクションに行くかに影響するけど、この系列の人だから海幕に行くとか行かない、とかはほとんどないよ。
例えば、海幕一番の花形、防衛部(防衛政策の立案を担当)はヴィークルを動かす系列(艦艇、潜水艦、航空)の隊員が就くことが多い一方、装備計画部はロジスティクス系(経理補給、艦船装備、航空装備)の隊員が就くことが多いです。
なるほど~
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まとめ
今回はただ並べるだけになっちゃったな。そのうち、各地域の特性とかも教えてあげるね。
- 艦艇部隊の主要な勤務地は、横須賀・呉・佐世保・舞鶴・大湊の5か所であること。
- 潜水艦部隊は横須賀・呉の2か所であること。
- 固定翼の航空部隊の主要な勤務地は、鹿屋・八戸・厚木・那覇・岩国の5か所であること。
- 教育用として、下総・小月・徳島にも基地を保有していること。
- 回転翼の航空部隊の主要な勤務地は、館山・大村・舞鶴・小松島・大湊の5か所であること。
- 一部部隊は岩国や厚木でも所在すること。
- 東京にも、海上自衛隊の職場は存在すること。
- 最も行ける可能性が高いのは防衛省本省の海上幕僚監部であり、多くの幹部が経験している。
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