入隊するには、いつから動けばいい?募集日程と採用試験準備

記事の要旨

この記事では、入隊志願者の採用試験突破を支援するため、次の内容を説明します。

  • 入隊を検討したら、まずは地本に連絡をするべき。
    • 現在、応募や資料請求は地本を介さずにネット上から出来るようになったが、入隊を検討する上で役に立つ情報を提供してもらえたり、部隊研修に誘ってもらえたりするので、地本とは連絡を取っておくべき。
  • 募集の応募受付期間は採用制度によって異なり、一般幹部候補生や一般曹候補生は3月1日から募集開始となっている。
    • 近年、募集は複数回に分けて行われるようになっているが、募集状況が良いと後半回は募集自体行われない可能性があるので、早い時期に応募した方が良い
    • 一般幹部候補生と一般曹候補生では2次試験まで実施されるが、1次試験と2次試験の間は1か月程度しか間が空いていない。そのため、試験準備は早いうちからやっておいた方が良い。

先パイ先パイ、そう言えばまだ応募してなかったんですよ。

……何に?

採用試験です。

な、なんだってー!!

いや、気がついたらこんな時期になっちゃいまして。まだ間に合いますかね?

おう、今日こそは言わせてもらうけど、お前いい度胸しているな!!
説明するから、ちょいと待っとれ!!


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入隊を検討したら、まずは地本事務所へ一報を!

募集は地本の仕事

そもそも、いつ頃から動き出せば良かったんですかね?

結論から言えば、動き出すのに早すぎることは無い
大学卒業時に入隊したいな、と思った人も、別に大学4年になるまで待つ必要なんて無くて、大学2年でも3年でも、入隊を検討し始めたらとっとと動き出した方が良いんだ。

あー、まぁ。つい先日まで応募する気もなかったからですね。

それは仕方ない。でも今ならまだ間に合うから、手続きを急ごう。

具体的には何すればいいんです?

地本の事務所に連絡することだね。

ちほん?

そう、自衛隊地方協力本部、略して地本。
各都道府県に1つずつ(北海道のみ4か所に分散)設置された、自衛隊の地域社会に対する窓口機関なんだ。募集や広報、防災のための地方自治体との連絡役なんかを担当しているよ。

採用試験は、その地本に応募するってことですか?

早い話がそういうこと。
入隊希望者に採用情報の説明をするのも地本だし、入隊するか迷っている学生を部隊に連れて行ってその気にさせるのも地本。そして採用試験の志願書を受け付けるのも地本だし、一般幹部候補生の1次試験や一般曹候補生・自衛官候補生の採用試験を執り行うのも地本、そしてその採用試験対策の面倒を見てくれるのも地本なんだ。

へぇ、なんでもやっているんですね。

というわけで、志願を決心したら……ではなくて、志願するかどうか迷い始めたら、とりあえず地本に一報するのが正解なんだ。

まあ、私はその間「ひとなみ」に入り浸ってましたからね。

くっ、とっとと地本に引き渡すべきだった……っ!


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資料請求も応募も、ネットで可能

地本に連絡っていうのは、とりあえず事務所に電話すればいいんですか?

もちろん、それでもいいよ。
住んでる地域の地本の本部や、その出先の事務所あたりに電話して、話を聞いてみるというのは手っ取り早い。

それから、学校や就活イベントで行われる合同企業説明会に地本のブースが出展していたら、そこで話を聞いて、ついでに自衛隊グッズをもらうってのが王道なんだ。

ふぅん、でも今更、企業説明会は待ってられないですもんね。

そうだね、そこでもう一つの方法。
一番手っ取り早いのがネット経由での応募なんだ。

えっ!?自衛隊にネットで応募できる!?!?

ええい、馬鹿にするな!ボクが入隊した頃はそんなシステム無かったけど、今はあるんだ!

地本で独自の募集ページを設けているところもあるけど、今は全国共通の「自衛官募集ホームページ」があるから、まずはここにアクセスするのが分かりやすい。
このサイトから、直接応募することも出来るし、資料請求することも出来る。というか、資料はpdfデータで配布されてる。

あら、そうなんですね。
地本の事務所に資料請求するのとは、何か違うんですか?

いや、地本の事務所に資料請求した場合でも、このサイトから資料請求をした場合でも、送られてくる資料は結局pdfデータを印刷したものになるね。紙で読みたければ、請求してもいいと思う。


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地本を通じて「人」の話を聞こう

うーん。そうしたら、地本の事務所って必要あるんですか?

確かに、応募するだけならネットで全部完結するから、地本の事務所にわざわざ電話したり、足を運んだりする必要は無いね。
でも、ネット経由で応募や資料請求した場合でも、地本からは連絡が来るよ。

あー、結局地本とは色々やり取りしないといけないんですね。

面倒と思うかもしれないけど、地本とはきちんと連絡を取っておいた方が良いよ。何かとお世話になる人たちだし。
地本の広報官は現職の自衛官だから、部隊でどういう仕事をしているのかはそれなりに知っているしね。
他にも地本と連絡を取っておくメリットはいくつかあるよ。

地本のメリット:研修に参加できる

地本と連絡を取っていると、部隊見学などの研修に誘ってもらえることがあるんだ。これは、試験前にもあるし、合格発表後にもあるよ。

へぇ、合格が決まった後もあるんですか。

これは装備品を見せびらかして、入隊までのモチベーションを維持するためっていう側面も否定できないんだけど……。
とは言え、研修に参加すると、実際の部隊で働いている自衛官と話が出来るんだ。装備品や業務内容の説明をしてもらうだけってこともあるけど、運が良ければ懇談会の時間を設けてもらえることもある。

うーん、それってそんなに大事なんですか?

もちろん!何と言ってもそこにいるのは、数年後の自分かもしれない相手なんだ。
入隊してから、どの地域のどういう部隊に配置されてきたのか。今どういう仕事をしているのか。入隊前に思っていたのと違うのは何なのか。辞めようと思ったことはないのか。将来はどういう仕事をしたいと思っているのか。そういうアレコレを遠慮無く聞き出せる、数少ない機会だよ。
広報ビデオに出てくる自衛官なんて綺麗事しか言わないけど、研修で話す相手は所詮募集のノルマを課されているわけでもない、ただの隊員だから。特に、若い人は後先考えずに本音をぶっちゃける人も少なくないから、本当に知りたいことを聞き出せるチャンスなんだ。

なるほど。確かに「ひとなみ」にいると、本当に勧誘する気あるのか疑うくらい酷い話をたくさん聞きますもんね。知った上で入隊するのと、知らずに入隊するのとではショックが違うでしょうね。

おかしいな、これでも精一杯取り繕ってるはずなのに。。。
それはそうと、地本の広報官は良くも悪くも地本勤務が長い、つまり現場を離れて久しい人が多いんだ。試験のコツとか、どんな学生がどんな仕事に向いているかとか、その手の話には強いけど、実際ここ数年の部隊がどんな感じなのか、となるとよく知らない広報官も少なくない。
その点、部隊で実際に働いている人の意見は貴重だね。

確かに。艦にほとんど乗ってない人に艦の仕事のことを説かれても、あんまり説得力ないですもんね。

他にも色んな立場の人と話せるから、パンフレットを見ただけでは存在にすら気付けないような仕事があることを知ることも出来る。
そうやって、現場にいる「人」を知ることが出来るという点で、部隊研修は本当に有益な機会なんだ。


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地本のメリット:他の入隊希望者と交流できる

もう一つのメリットは、主に研修に参加する時になんだけど、他の入隊希望者と交流することが出来るんだ。

要するに、入隊後に同期になる人たちってこと!

言われてみればそうですね。

別に同期と馴れ合う必要はないけど、でもやっぱり仲が良いに越したことはない。入隊前から仲良くなっておいた方が、何かと都合はいいね。

それに、入隊希望者って本当に人それぞれなんだ。色んな背景を持った人たちが、色んな理由で入隊を希望してくる。それを知れば自分の入隊動機を見つめ直すことができるんだ。
やっぱり、入隊すると何かと辛い思いをするからさ。何をしたくて入隊するのか、軸がブレると続けづらくなるんだ。だから、他人を通じて自分を知る事は大事だと思うよ。


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応募受付期間と試験時期を知ろう

応募受付期間

まずは地本に連絡する、という基本を理解したところで、実際にいつ申し込んだらいいのか、そしていつ試験をやるのかを確認しよう。

海上自衛隊の代表的な採用制度ごとの募集・試験期間
各制度の令和6年度募集要項から筆者が作成

一般幹部候補生と一般曹候補生が3段に分かれているのは、複数回応募できるってことですか?

採用制度回次受付期間
一般幹部候補生第1回3/1 ~ 4/12
第2回4/24 ~ 6/13
第3回8/26 ~ 9/26
一般曹候補生第1回3/1 ~ 5/7
第2回7/1 ~ 9/3
第3回10/1 ~ 11/28
令和6年度の一般幹部候補生・一般曹候補生の募集受付期間

そう、どちらの制度も数年前から複数回に分けて募集するようになったんだ。実施回数はその年によって結構変わるみたいね。これは募集難から何が何でも必要な人数をかき集めるために複数回やっているだけで、最初の方の試験で十分な人数が集まったら、後半の試験は行われないこともある。だから、極力第1回の募集に応募した方が良いんだ。

複数回応募出来るんですか?

出来るけど、一般幹部候補生の場合は第1回と第2回で陸・海・空、同じ場所を選べない。つまり、第1回は海自の幹部候補生、第2回は陸自の幹部候補生、といった形でないといけない。第3回は第1・2回と同じところを選べるけど、今言ったとおり、試験自体が行われない可能性があるから、原則年一回の勝負と思った方が良いね。

一般曹候補生にはそういう縛りは無いみたい。
ちなみに、来年3月の高校卒業予定者が一般曹候補生を受ける場合は、第2回からのみ、つまり7月からのみ受付してもらえるんだ。

自衛官候補生はどうなってるんです?

自衛官候補生の募集は年間を通して行われているよ。とは言え、これはいつでも受けられるっていうものではなくて、応募しておくと、ある程度人が集まってきたときに「いつ、どこで試験をやるので来るように」という通知がやってくる、という感じ。最近は月イチくらいで試験をやってるみたいね。


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試験の時期

試験は2次試験までやるんですね。

うん。一般幹部候補生と一般曹候補生は、2回の試験があるよ。
正確には、一般幹部候補生のうち、飛行要員(パイロット等の要員採用枠)は3次試験まであるんだけど、適性検査の性質が強いから、実際に試験として準備しないといけないのは2次試験までだね。

それから、自衛官候補生には2次試験が無くて、試験1回だけで合否が決まるよ。

正確には、自衛官候補生試験にも口述試験(面接)と身体検査があります。が、ここで落ちる人はほとんどいないと言われています。

で、1次試験と2次試験の間は大体1か月くらいですか。

そうだね。
ボクが受けた頃は、5月に1次試験をやって、8月に2次試験をやって、という感じで、もっとまったりしてんだけど、今の試験は大体1か月くらいしか間が空いてないね。1次試験が終わってから2次試験の対策を、というとちょっとキツいかもしれない。

試験はいつ頃から準備すればいいんです?

これも早いに越したことは無いよ。
準備に必要な期間は、元々の本人の頭の出来によるところも大きいから、断言は出来ないけど、未来は頭いいから、ちょっと過去問を解いておけば大丈夫だと思う。

ちなみに、一般幹部候補生の場合、ある程度の大学(大体MARCHクラスくらい?)にいるような大学生なら、2~3か月くらいの準備期間でも、それなりに戦えると思う。というのも、一次試験は高校での学習内容をしっかり押さえておけばなんとかなるくらいの内容だからね。入試のために覚えた内容が全部ぶっ飛んでたりしない限り、そこまで悪い成績にはなら無いと思う。
試験対策については、また日を改めて説明するね。

よろしくお願いします。

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