Q: 入隊時、必要なものは？ A: 紙に書いてあるとおり！！ その3

うーん……そうだねぇ。無理ではないよ。
ボクの同期には電動歯ブラシを使っているヤツもいたし。充電だって、週に1回くらい出来れば問題ないからね。
ただ、ボクはオススメしないかな？

というのも、音を立てずに歯磨き出来ないからさ……。
候補生には、時として消灯後、あるいは起床前に歯磨きをしないといけないこともあるんだ……！

こそっと洗面所に忍び込んで歯磨きをしようと思ったら、やっぱり電動じゃない歯ブラシの方がいいよ。

あと、滅多にないけど、電動歯ブラシは壊れることがあるからね。
使うにしても普通の歯ブラシを1本くらい予備で持っていた方がいいね。
ボクは歯科で販売されているタフトを愛用しているよ。

そうそう、保有を検討するべきモノには電動ひげ剃りがあるよ。

いやいや、歯ブラシとひげ剃りではちょっと事情が違うんだ。
と言うのも、歯ブラシは電動だろうが手動だろうが、結局洗面所に行かないと使えないでしょ？
それに歯磨きをするタイミングは選べない。昼に歯磨きしたから夜はしなくてもいいや、とはならないからね。

その点、ひげ剃りは違う。なんと言っても電動ひげ剃りは水が無くてもひげを剃れるんだ。それに、ひげ剃り自体は1日に1回くらいやっておけば大丈夫。ということは、1日の中のどこかで、例えば着替えの途中に30秒もらって髭剃りってことが出来るんだ。
服装容儀点検が朝行われることを考えたら朝イチに剃りたいところだけどね。

そういうこと。シェービングフォームを用意して、T字カミソリで髭を剃って、とやると、準備も後片付けも結構時間がかかるんだよね。うっかり洗面所を汚したら拭き取らないといけないし。

それが、T字カミソリより肌への負担は軽いものがほとんどだよ！
まぁ、機種によるところはあるけど……。
ボクは某メーカーのロータリーシェーバーを使ってたんだけど、これは全然合わなくてさ。肌がボロボロになってとても使い物にならなかったなぁ。でも、卒業直前にブラウンのシェーバーに変えたら全然痛くなくて、革命が起きたと思ったね！

フィリップスやパナソニックは使ったことないから分からないけど、使ってる人に聞いたら、そんなにトラブルは抱えてないみたい。

電動シェーバーの問題点はふたつ。
一つ目は、あんまり深剃りができないこと。肌への負担が少ない理由でもあるんだけど、刃が直接肌に当たる訳じゃないからね。どうしても若干の剃り残しができるんだ。普段使いならそんなに問題にならないけど、外出時の服装容儀点検にはちょっと辛いかもしれない。

こればかりは本人の毛の癖もあるから仕方ないね。人によっては電動だけでツルツルになることもあるらしいよ。

もう一つの問題点はクリーニングと充電。
一般社会では、家にクリーニングと充電のための洗浄器を置いて、そこでリフレッシュさせることになるんだ。剃ったヒゲや皮脂の滓を洗い落として、潤滑剤を行き渡らせるんだね。
でも、我々はそういうわけにはいかない。隊舎に洗浄器を置いておくわけにはいかないし、艦艇勤務が始まってもおんなじことなんだよね。だから、やり方を考えないといけない。

それが第1案だね。実際、クリーニングや充電は週に1回くらいでもなんとかなるからね。
他には潤滑剤を別に持っておくのも手だよ。洗浄自体は食器用の中性洗剤で出来るんだけど、それだけだと潤滑が出来なくて刃がダメになるから。洗浄・乾燥させた後、潤滑剤を塗布すればクリーニングしたのと同じ効果が得られるんだ。
実習とかで長期不在になることが分かってるときは充電ケーブルと潤滑剤を持って行った方がいいね。このあたりは護衛艦で勤務してても同じだよ。

いずれにせよ、手動のT字カミソリは持っておいた方がいいよ。外出員整列の時とか、儀式の時みたいな、ここぞという時には時間を掛けてT字カミソリで深剃りした方がいいし。それに下宿でクリーニングしたら、そのままシェーバーを置き忘れて来ることもあり得るからね。

これは荷物が増えてしまうから、絶対に得策ってわけではない。でも、確実に時間短縮になるから、電動シェーバーは検討するだけの価値があるよ。

洗濯洗剤は液体洗剤一択だね。花王の「アタックZERO」とかライオンの「NANOX one」のような、コンパクトな液体洗剤がオススメ。
洗浄力を考えると粉末洗剤の方が性能は良いんだけど、いつ幹事付にひっくり返されるか分からない中、紙箱の粉末洗剤は運用できないよ……。あと、今どきの液体洗剤はすすぎ1回でOKになってきているから、時間短縮の面から見ても、液体洗剤の方が有利だね。

液体洗剤で洗浄力が劣る分、ちょっと気をつけないといけないのがワイシャツのエリそで汚れ。これはプレケアを使うと良いよ。

これは、洗濯の前にエリ・そでに塗っておく洗剤なんだ。エリそで汚れの原因は付着した皮脂汚れが酸化すること。でもプレケアはエリ・そでに付着した皮脂汚れを酵素で分解しておいてくれるから、あとは塗ったまま、いつもと同じように洗濯機で洗濯すれば、汚れが落ちて、黄ばみが防止されるってワケ。

確かに、ちょっと面倒くさいんだよね。でも、これをやる、やらないでは大きな違いが出てくるからね。やらないで数ヶ月もすると、あちこちが黄ばむ……というか茶色になっていく。酷くなってくると、外から見て分かってしまうんだ。

もうひとつ、洗濯絡みで言えばシミ抜きも持っていった方がいいかも。

そう。制服で生活していると、色んな汚れに出くわすんだ。食事の時にドレッシングが跳ねたり、コーヒーをこぼしたり、おできが潰れて血がにじんだり……。主に夏服で気にすべき問題なんだけど、冬服だってワイシャツでは目立つし、ものによっては黒い制服でも他の部分と光の反射が変わって目立ってしまうことがあるんだ。

そういうこと。
よく用いられるのがこれ。

シミとりレスキューの最大の特徴は水で洗濯せずにシミ抜きできることなんだ。大きさも目薬の容器くらいで、カバンの隅に忍ばせておける優れもの。
ただ、やっぱりきちんと洗濯するのに比べると、汚れの落ちは劣るかなぁ。

そうだね。洗濯さえ出来れば、そこまで必要になるものでもない。ただ、そう思って持ってないときに限って必要になったりするんだよね。
ちなみに、だいたいどの基地や学校でも売店で売ってるから、急いで買わなくても大丈夫だよ。

一方で、洗濯するときのシミ抜きの味方がこれ！

これはね、本当にオススメだよ！「ザウトマン」……ボクは以前の商品名であった「ザウト」と呼んでるけど。

うん、大体どんな汚れでも、ザウトを使えば落ちる！それくらい強力な洗剤なんだ。ボクは、一度付いたら落とすのは困難といわれている油性ボールペンの汚れすら、ザウトで落としたことがあるよ。

普通、そう思うよね？ところが、洗浄力が強い割に服や手指にダメージを与えるようなものではないんだ。実際、ボクは何度も素手でザウトでの揉み洗いをやって来たけど、一度も手のトラブルになったことは無いよ。

ザウトの使い方はシミとりレスキューより、プレケアに近いかな？
事前にシミの部分にザウトを塗っておいて、そのまま普通の洗濯物と同様に洗濯するんだ。
汚れが酷いようなら、洗濯機に放り込む前に、ザウトを付けた状態で揉み洗いを2～3回挟んでもいいよ。それだけやれば、だいたいどんな汚れも落ちるよ。

ザウトも、大体学校の売店には置いてあった気がするけど、シミとりレスキューほどメジャーな商品ではないね。お世話になることはほぼ確実だし、バケツに入れておける洗剤類は他の荷物のスペースを喰わないから、事前に買って持ち込んでも良いと思うよ。

あ、でも。一番のシミ対策はそもそも汚れを付けないことだから、そこは十分に気をつけてね！

2番目のシミ対策は汚れが付いたらすぐに水洗いすること！時間が経てば経つほど、汚れは繊維に沈着していくからね。とにかく早く洗ってやることが大事だよ。